ホームレス |
シルバー特有の問題ではないが、シルバーだからこそ深刻に考えてしまう問題の一つです。 ホームレスとは、一概には言えませんが、 ・家がない(住所がない) ・職がない ・食がない ・金がない ・家族がない ・・・何も無い 考えてみてください。私達が義務教育で学んできた、国民の最低の権利「衣」「食」「住」が全て満たされていません。 国はやっかいに思っているだけで、積極的に対策をおこなってくれません。 それでも、ホームレスはダンボールで家をつくり、ごみなどから食料や衣服、生活に必要なものを探し、生きています。 よく電車の中で、端の席でうずくまるように首をうなだれて座っているホームレスらしき人達を見かけます。 共通しているのは、顔や手が黒っぽくなっていて、臭いがすることです。 それに気づいた乗客はすぐに車輛を変えたりします。 その結果彼らの周りには空間ができてしまいます。 どれほど混雑している車輛の中でも彼らの周りには空間ができています。 彼らは周りの人達がそういう行動をとっていることに気づいていないのでしょうか? いいえ、十分わかっていると思います。 自分は避けられているんだって・・・ それでも、真冬の寒さには耐えられません。電車に乗れば寒さがしのげます。 それでも、真夏の暑さには耐えられません。電車に乗れば暑さがしのげます。 彼らだって生きている。電車賃をごまかしたわけでもない、ちゃんとキップを買って乗っている。 それなのに、何で乗ってるんだよ!!といわんばかりの周りの態度。 せっかく電車に乗っていても、顔を上に上げることができません。 だからずっとうなだれている。 眠るためにうなだれているわけではありません。 きれいにしていれば誰もそんなことしない? 顔や手が黒いのはお風呂に入れないから、臭いのはお風呂に入れないし、たくさん着替えもないし、洗濯もできないからです。 私は恵まれています。 家族がいて、年をとってもみんなが守ってくれます。助けてくれます。 あるホームレスがこう言っていたそうです。 「悪いことができるんだったら、ホームレスにはなっていなかっただろう。」 そうだと思います。まじめに生きてきた人間が会社にリストラされ、社宅を追い出され、家も職も金も失う。その結果、家族も失う。 仕事をしてお金を稼げばいいじゃないか?と言う人がいる。 でも定職につくには、住所がいる。 住所を持つには住むところ(家・アパート)がいる。 でも家やアパートを借りたり、買うにはお金がいる。 何もしようにも住所やお金がなければ出来ないこの世の中。 住所とお金を無くした人達はやがてホームレスから抜けることができなくなる。 私の近所でもホームレスの老婆を見かける。 別に悪いことしているわけでもないのに、いつもうつむいている。 自分の母親がこんな目にあっていたらと思うと胸が痛くなる。 それでも、何もしてあげられない自分が更に情けない。 私の子供も上京したとき、ホームレスの人達がたくさんいることにびっくりしたそうです。 そしてそのホームレスの人達に向って、気持ち悪い、恐いと叫んでいる会社の同僚を見て思わず言ったそうです。「かわいそうでしょ。」って。 しかし、子供も同様にそれしか言えなかった自分がいたことに情けなく思ったそうです。 時々子供とも話しますが、ホームレスの人達は環境の整ったところで生活している私達よりも知恵や工夫があると。 ダンボールでつくった家だって立派なものです。そこに絵を描いたりしてうまいものです。 すぐに読み捨てられた雑誌を集めて、街頭で販売したりもしています。 もし、お風呂に入れて、住むところがあれば、周りからそのような扱いをうけることはないでしょう。 以前見たニュースでは、ホームレスの中には元大手企業の社員、会社の部長や社長だった人もたくさんいるそうです。 ホームレスだって、これまで会社のため、家族のために頑張ってきたはずです。 最低限の人間の権利、国民の権利をどう思っているのか? 早急に対策を考えるべきかと思う。 |
このページの先頭へ | シニアの視点メニューへ | ホームへ |