心の問題 |
心理学の専門家や医者には、知識はたくさんあるでしょう。 でも、実際にその立場になったものにしかわからないこともたくさんあります。 私も若いときには年をとった人の気持ちなど全然わかりませんでした。 自分の親の言うことがようやくわかるのは自分が親になってから、そして年寄りの気持ちがわかるようになるのも自分が年をとってから、ということなのでしょう。 よく年をとった人がこぼす言葉です。 ・役に立たないのだろうか? ・みんなの邪魔なのだろうか? ・みんなに嫌われているのだろうか? ・年をとると汚くなるのだろうか? ・年をとると臭くなるのだろうか? ・早く死んだ方がいいのではないか? これは裏を返すとこういうことになるかと思います。 ・役にたちたい ・みんなと一緒にいたい ・みんなと仲良くしたい ・みんなから嫌われたくない ・頼りにされたい この解決策として、よく耳にすることもあります。 ・趣味を持ちましょう ・友達を持ちましょう ・家に閉じこもっていない ・家族の協力が必要 最もな解決策だと思います。 でも、理屈ではすまないことが世の中にはたくさんあるように、心の問題もそう簡単には解決することはできません。 産まれたばかりの赤ちゃんは、1人では何もできません。 だから周りの人達は、赤ちゃんを大切にします。 いろいろな経験を経て、引退したお年寄りは、もう何でも1人でできるのでしょうか? 決してそうではありません。 だんだん身体の機能も衰えていき、心も弱くなっていき、逆に産まれたばかりの頃の赤ちゃんに戻って行くような気がします。 年をとっていても、身体は大きくても、周りの人達が大切にしてあげなくてはならない存在ではないかと思います。 子供を育てて、社会に巣立たせ、その子供からも見放されてしまったら・・・ 仕事に明け暮れ、引退し、その社会からも見放されてしまったら・・・ 人間は使い捨てされて平気なわけはありません、心を持っているのです。 昨日退職したばかりの会社員も、今日からは無職の老人扱いです。 たった1日でその人への対応や風あたりがが全く違うものになってしまいます。 お年寄りが昔の話をしたりするのは、今話すことが無いからではないと思います。 昔は自分だって頑張ってきたんだってことを認めてもらいたいからだと思います。 また、何もやらせないで、黙って家にいてもらうことが、お年寄りを大切にするということではないと思います。 心の問題は人それぞれ抱えているので、限定しては言えませんが、孤独感、疎外感、むなしさを感じている老人が多く、それが一層老いを早めて行くことは否めません。 |
このページの先頭へ | シニアの視点メニューへ | ホームへ |