不思議な体験 骨壷 じいじ&ばあばホームへ

ばあば1  夏休みは親戚が集まったりするから、お墓参りもよくいくわね。
じいじ1  そうだね、みんなでお墓参りにいくときっと御先祖様も喜ぶだろうな。
ばあば1  お墓といえば、あの不思議な出来事を思い出しますねえ。
じいじ1  お墓から骨壷を移すときのことだろう。
ばあば1  そう、将来はここに入ろうと確保していた墓地に新しくお墓を作ったのよね。
じいじ1  ああ、私達も今までのお墓からは遠くへ引越しするから、ちゃんとお参りしてあげる機会が減ってしまうと思って、新しいお墓へ骨壷を移すことにしたんだよな。
ばあば1  骨壷を移すといっても、単にお墓の下から骨壷を出せばいいってもんじゃないのよね。
じいじ1  お坊さんに頼んで、ちゃんと供養してもらってから、骨壷を取出さないと、魂がそこに残ってしまうらしいからね。
ばあば1  それで、ちゃんと供養してもらったのよね。
じいじ1  ああ、それでいよいよ新しいお墓へ運ぼうとしたときのことだったな。
ばあば1  遠いから飛行機に乗らなくてはならなかったのよね。
じいじ1  そう、その飛行機に乗る前の待合室での出来事だよ。
ばあば1  ええ。
じいじ1  さあ、飛行機に乗ろうと椅子から立ち上がり、骨壷を持とうとしたら、突然骨壷からたくさん水がでてきたんだ。
ばあば1  お墓の中にあったものだから、湿気や雨水が流れ出たんじゃないかって言う人もいたわね。
じいじ1  ああ、でも骨壷の中には水なんて入ってなかったんだ。それも雨水などではないと思うよ。だってすごく澄んだきれいな水だったから。
ばあば1  それでも、きっと骨壷を横に倒したときに何か微量の水が出たんじゃないの?と言う人もいたわね。
じいじ1  ああ、でも骨壷を横に倒してなんかいないんだよな。それに微量の水なんかじゃなく、床にいっぱいこぼれていたからな。それに、慌てて骨壷を包んでいた布をほどいたり、箱を見てみたんだが・・・一切濡れていなかったんだ。一緒にいた甥っこがそれを見て呆然として見ていたからな。
ばあば1  ええ、それはびっくりするでしょうね。
じいじ1  きっと、おじいさんとおばあさんが、長く住んでいた懐かしい土地を離れるので、涙を流したのだろう。
ばあば1  そうかもしれませんね、世の中不思議なことがあるものですね。
じいじ1  ああ、実際に見たものにしかわからないことがあるね。
ばあば1  おじいさんとおばあさんが悲しまないようにまたみんなでお墓参りに行きましょうね。

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