教育入院で学んだこと「血液検査の見方」 じいじ&ばあばホームへ

血液検査の見方

 糖尿病の検査をしてもらっても、一体何が良いのか、悪いのかわからないこともあります。そのため、何故この検査をするのか?どれくらいの値なら正常なのかを知っておくことが大切かと思います。

HbA1c(ヘモグロビンエイワンシー)

 正常値:4〜6%。
 重症:10%

赤血球中のヘモグロビンという蛋白質と血液中の糖が結合してできるもので、血液中の糖が増えれば増えるほど、つまり、血糖値が上がれば上がる程、その量は増えます。赤血球の寿命が1〜2ヶ月なので、この値は、過去1〜2ヶ月の血液の中の糖のたまり具合を見ていることになります。
 そのため、検査をうける2〜3日前から、それまで怠っていた食事療法を徹底的に行うといったいわば、一夜ずけの食事療法では、HbA1cは改善できません。
 糖尿病の人は、7、8、9%と上昇しますが、合併症をおこさないためには、7%以下の長期コントロールが目標となります。

血糖値

 正常値:空腹時80〜110 / 随時180以下

血糖は瞬間風速のようなもので、常に変動しています。そこで、HbA1cが重要となります。

尿糖

 正常値:(-)

テステープを薬局で買うこともできますので、自分で簡単に検査できます。反応がでるのは、血糖が170以上のときです。

尿蛋白

 正常値:(-)

尿蛋白は腎症の始まりのサインです。尿蛋白が陽性になる前に微量アルブミンという蛋白が尿中に出現してきます。これは、一般的な尿検査やテステープではわかりません。しかし、これが陽性の時、将来的に腎症になる可能性が強いということです。蛋白尿の前の尿中アルブミン検出期は、血糖をよくすることで、腎症を予防することができます。

コレステロール

 正常値:糖尿病のあるかたは、200以下。一般には220以下。

糖尿病のかたは、動脈硬化を起こしやすいため、動脈硬化の危険因子として、コレステロールは大事です。高コレステロール血症は心筋梗塞の危険因子でもあります。また、胆石などをひきおこすこともあります。

中性脂肪

 正常値:150以下

動脈硬化の予防のために、コントロールが重要です。血中の中性脂肪高値は、結果的に、内蔵脂肪(脂肪肝など)につながり、インスリン抵抗性をおこします。

腎機能

 正常値:尿素窒素(BUN)20以下、クレアチニン(CRTN)1以下

便秘でも、BUNは単独で上昇します。
腎臓が悪くなると、尿蛋白とともに、BUNとCRTNの両方が上昇します。

肝機能

 正常値:GOT、GPT、γ-GPTとも、だいたい50以下

脂肪肝も放置しておくと、肝機能は上昇します。まれですが、慢性肝炎、肝硬変になってしまう可能性もあります。しかし、脂肪肝であれば、食事療法にて直すことができます。

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