糖尿病かもしれない・・・ じいじ&ばあばホームへ
じいじが糖尿病かもしれないと疑いはじめた頃はもう既に進行している状態だったと思います。

仕事柄、健康診断を定期的に受けることができずに何年も忙しい日々を過ごしておりました。
まだまだ、自分達は若いと思っていたので、多少の疲れや風邪などでは、病院に行くこともほとんどありませんでした。

そして年月が過ぎていき、出っ張っていたじいじのお腹が日毎にへこんでいきました。
御近所の方は、「どうやって痩せたの?いいわね」とうらやましそうに言っていましたが、ダイエットや食事制限などは一切しておりませんでしたので、私達家族はじいじが病気ではないかと密かに心配しておりました。

どこへいってもすぐに疲れるようになり、疲れると声がかすれてきたり、のどが乾くようで飲み物を大量に飲んでいました。大量に汗が出るのもそのせいかと思っていました。
そんな姿を見ていると、疲れているのだろうと思い、ドリンク剤や飲み物を飲ませてあげましたが、かえって悪循環なことをしていたのではないかと思います。

日に日に疲れの度合いが激しくなっていくじいじの症状を、私達はこっそり家庭の医学書などを読んで調べて見たりしました。

その中でじいじの症状とぴったりくる病名がありました。

「糖尿病」です。

糖尿病って、甘いものを食べ過ぎたりするぜいたくな病気のこと?と誤解していましたが、医学書を読むととても恐い病気だということが書かれていました。

でも、私達はお医者さんではないので、いくら症状があっていても、診断することはできません。
それとなく、じいじに病院に行くようにすすめたのですが、じいじは絶対に行こうとしませんでした。
行きたくない者に無理強いさせても仕方が無いので、本人が行く気になるのを待つことにしました。

ところが、じいじの症状はいっこうに良くなりません。ある日家族で出かけたときに、じいじだけがどんどん歩くのが遅れて、気が付けばはるか後ろの方でつらそうに歩いてくるじいじの姿がありました。
また、ある日、その頃はトイレがまだ水洗ではなかったため、業者に取りに来てもらっていたのですが、業者が「お宅に糖尿病の方がいるのではないですか?」と言われたりしました。
何でわかるのだろう?信じられない。と半信半疑でしたが、ある本に尿が特有のにおいのため、業者によって発見される例も多いと記載されておりました。

そういった毎日を過ごしながら、何度も何度も医学書を読み返しては、やっぱり糖尿病かもしれない、と思う気持ちが強くなって行きました。

少しでもじいじの症状が軽減すればと思い、その頃話題になっていた健康法などをいくつもいくつも試して見ました。たいていは、数ヶ月やっては特に効果もでないために、また新しい健康法に変えるということを繰り返していました。こういった健康法は続けなくては意味がないし、続けたとしても、人によっては効果に差があります。その頃は、じいじの症状のつらさを早く改善してあげたい一心で、すぐに効果があるものを求めていたと思います。

糖尿病かもしれないけど、そうではないかもしれない。そういった思いが繰り返され、何年もの月日がたってしまいました。

そして、何年もその症状をかかえたまま、じいじはとうとう仕事を継続的に続けることが困難になってしまいました。
身体の調子を見ながら出来る仕事であれば、何とか続けられたのでしょうが、そんな都合の良い仕事はありません。

じいじは、その月日の間、自分が病院にいけば、きっと入院してしまうかもしれない、そうすれば仕事ができなくなってしまう、家族を養って行くことができなくなってしまう、と一人で責任を負い続けていたのです。

家族に心配かけまい、迷惑をかけまい、と思う心が、かえって今現在もじいじ自身を苦しめてしまいました。

子供達も大きくなりましたので、じいじ一人で責任を負う必要はありません。これからは、みんなでじいじを助けてあげなくてはなりません。そう決意して、じいじに仕事をやめるように説得しました。

その時のじいじは本当に身体がつらかったのでしょう。
素直に私達の気持ちを受け止めてくれました。

そして、それから本格的に、私達とじいじが糖尿病と闘うことになったのです。

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