作品秘話 じいじ編 第6話 じいじ&ばあばホームへ

「もう一度故郷を見せたかった」の悲しい事実

随分昔のお話のように思われる方もいらっしゃることでしょう。
そうですね、昔といえば昔のことです。
じいじが小さい頃には、こんな生活があちこちで繰り広げられていたのです。

学校にいけない子もいました。
小さな弟や妹を背負って学校に通っている子もいました。
お弁当をもってこれない子もいました。
制服が無い子もいました。
でも、それでもみんな生きるのに、家族を助けるのに一生懸命だったのです。

じいじの家もそれほど裕福な家庭ではありませんでした。
じいじも小さい頃は、悲しくて、悔しくて、泣きそうになったことがたくさんあります。
でも、お父さん、お母さんがいたから、兄弟がいたから、みんなで頑張ってきました。

その当時は、ひとつのものを大切に使っていました。
いまでは珍しくないものでも、はじめて見たときはびっくりしたものです。

苦しかったけど、この遠い思い出は、大切な宝だと思っています。
お父さん、お母さんが子供の頃言ってくれたことが、今になってよくわかります。
悲しかったけれど、つらかったけれど、すばらしい気持ちが行き交っていたあの頃を思い出して書いたそんな作品です。
お恥ずかしながらも、この話を書きながら思わず涙があふれてきてしまいました。
そして今の恵まれたこの世の中を思うとありがたく思うのでした。

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