荷物をもってくれた少年 じいじ&ばあばホームへ

駅のホームでの乗り換えは年寄りや身体の不自由な人にとっては階段や人込みによってかなり厳しい状況です。

2年ほど前のことです。

私とばあばが重い荷物を持ってホームからホームへの移動をしていた時です。
この乗り換えはたった数分しかなく、さらにごった返すほどの人数が乗換えます。
みんな若い人ばかりだったので、走って先へ先へと進んでいきます。
その人込みの中で私達は遠慮がちに二人で重い荷物をかかえて階段をおりていきました。
乗り換え時間まであと1分もありません。これを逃がすとしばらく電車はきません。

でも、しょうがないと思いつつ二人でゆっくりと荷物を下ろしていたら、急に無言で高校生の男の子が荷物を一緒に持ってくれました。
その男の子だって、乗り換えに間に合わないかもしれません。でもゆっくりゆっくり私達と一緒に荷物を運んでくれました。

やっと階段下に着いた時、電車の扉は閉ってしまいました・・・
私達は最初から無理だと思っていたので、良かったのですが、その少年まで乗ることができませんでした。
でもその少年は階段下につくと、また何も言わずにホームの一番奥の方に歩き去ってしまいました。

見かけは今風の少年でしたが、今時このような親切な心を持った少年がいたことに大変さわやかな気持ちになりました。

残念だったのは、混雑している乗り換え時に重い荷物を持った私達に、睨みつけていく若者や、文句をつけていく若者がほとんどだったことです。
そして、もっと残念だったのは、その少年に十分にお礼が言えなかったことです。

今も私達の心の中では、その少年の優しさが思い出されます。荷物を持っていただいたことはもちろんのこと、その素朴な優しさに胸をうたれました。

「本当にどうもありがとうございました。」

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