それゆけ!ハットマン2 |
ほくはハットマンです! 今日は土曜日です。 朝から天気が良かったので、ちょっと遠くの町まできてみました。 この町にきたのも3ヶ月ぶりです。 すっかり夕方になってしまったけど、もう少し散歩でもしてみようと思ってます。 あれ、あっちこっちで騒がしい声がする。 耳をすませて聞いてみよう。 「ハットマンが来てるよ!」 「ハットマンがあそこにいるよ!」 と大騒ぎしている。 子供達も、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんもみんな「ワーイ!ワーイ!ハットマンだ!」「よく来てくれたね!ハットマン」 と歓迎のお出迎えだ。 「ハットマン、ちょうど良いところへ来てくれたね。今、春ちゃんのところが大泣きしていて困っているよ!」 「わかった。春ちゃんのおうちはどこ?」 「ここから3軒目のところだよ」 「よし、ハットマンの出番だ!」 「トントン、こんにちは!トントン」 「あら、誰かしら?」と中からお母さんの声がする。 その後ろの方で子供が泣く声が聞こえてくる。 「トントン、こんにちは」 「はーい、何でしょう。今ちょっと手が離せないので、後できてください。」 「いいえ、私は後からくることはできないので、今すぐ開けてくれないと困ります。」 「まあ、あなたは一体何者ですか?自分の都合しか言わないで、失礼ですね。今私は手が離せないんです!」 「あっ奥様、申し遅れました。私はハットマンです。」 「ええー、あの泣く子も黙るハットマン?!」 「はいそうです、ハットマンです。」 「うわー、助かったわ。ハットマンお願いします。春ちゃんの頭を洗ってください。」 「オーケー、ソーレ。春ちゃん、ハットマンだよ!」 春ちゃんは涙目でチラッと見た。 「あ〜!ハットマンだ。本当だね。夢じゃないよね。」 「夢じゃないよ。さあ、頭にハットをつけてみようね。」 「うん、本物だあ!ハットマン、春ちゃんもう泣かないよう!ハットマン、早く頭を洗って!!春ちゃんねえ、頭洗うの大好きなの。」 「春ちゃん、あんなに泣いていたのに、本当に頭洗うの好きなのかい?」 「うん、だってハットマンが来てくれたからもう泣かないよ。強くなったんだ!ママ〜、春ちゃん頭洗うの大好きよ!」 それを聞いて、ママもハットマンも大喜び。 「それはよかったね」とハットマンは春ちゃんの頭を「いい子だね」となでました。 春ちゃんはハットマンに誉められてガッツポーズです。 そして、「もう春ちゃんは泣かないし、強いんだよ。」と自慢しています。 「それでは、お母さん、春ちゃんはもう大丈夫ですよ。ハットマンは次のところへいかなくてはいけないので。春ちゃん、バイバ〜イ!」 春ちゃんの家を出ると、町はあっちこっち大騒ぎです。 あっちこっちのお父さんやお母さんが「おー、ハットマンが来たね!私達も小さい頃はよくハットマンに助けられたんだよね。」 「あの時は、やっぱり私達もお父さん、お母さんを困らせたり、てこずらせていたんだよね〜。今、私達が立派な大人になったのもハットマンがいてくれたからかもしれないね。」 「それに今、私達がお父さん、お母さんになってからも助けてくれてるし、子供達も助かっているんだよね。」 「本当ね、ハットマンってすごいね。」 「みんなの役にたってくれるし」 「みんなから喜ばれているし」 「みんなから感謝されているし」 「何よりもみんなから好かれているしね。」 「毎日毎日いろんな町へかけめぐって大変だけど、すばらしいねえ」 「ほら、見てごらん!ハットマンがまた次のところへ向うわよ!」 ダーシュッ!それゆけ、ハットマン!! 今日もハットマンは頑張っています! |
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