それゆけ!ハットマン3 |
「何泣いているの〜?パパはお湯をザブンなんてかけないよ。ちょっとずつかけるから恐がることないよ〜。さあ、ゲンちゃん、目をつぶってね。」 「いやだよ〜!パパ〜!目が痛くなるし、お口にお湯が入るし!頭洗うのいやだ〜!」 「パパはね、そういうゲンちゃんがきらいだよ。何で文句ばんかりいうの?」 「だって、パパが目にシャンプーいれるんだもん!」 「パパはゲンちゃんの目にシャンプーなんていれていないよ〜!ゲンちゃんが目を開けるからはいっちゃうんでしょう?」 「ちがうよ〜!パパが目にシャンプーいれたんだよ!」 「パパはそんなことしないよ〜。ゲンちゃんは弱虫だなあ」 「いやだよ〜!ゲンちゃんはパパきらい!もう、ママにシャンプーしてもらうからいいよ〜だ!」 「何いってるの!ゲンちゃん、ちゃんとパパのいうこと聞かなくてはだめだろう!そんなに泣いてばかりいるんなら、もうパパ知らないよ!」 「うん、ゲンちゃんももういいよ!頭洗わないですむなら助かったよ!」 「ゲンちゃん、そんな頭してたら、バイキンがついて、頭に虫がいっぱいくるよ!」 「いいもん、虫さんといっしょに遊ぶからいいもん!」 「パパはそんなゲンちゃんきらいだよ。」 こんなふうに、パパとゲンちゃんはいつも大きな声でやりとりしています。 そんなところに、たまたまハットマンが通りかかりました。 「ああ、この家だな。いつも親子で言い争いをしているのは。ちょっと寄ってみようかな。」 「こんにちは!こんにちは!」 「あれ?誰かきたみたいだな。は〜い、どなたですか?」 「あの〜、今通りかかったハットマンですが、あんまり親子で言い争っている声が聞こえてきたものですから、ちょっと寄ってみたんですが・・・」 「え〜と・・・ハットマン・・・。あ〜!私が小さい時にやっぱり頭を洗うのが嫌だったときに助けてくれたあのハットマン!?」 「そうです。そのハットマンが来たのです」 「そう、良かったあ!ちょうど今ゲンちゃんにてこずっていたところなんです。ゲンちゃんの頭洗うのお願いします!」 「シャーッ!ハットマンの出番だ!ゲンちゃん、ハットマンだよ。もう泣くことないよ。ハットマンがきたからもう大丈夫だよ。」 「どうして?」 「ゲンちゃんのパパもゲンちゃんくらい小さい時によく泣きわめいてお父さん、お母さんを困らせていたんだよ。その時ハットマンがかけつけて助けたんだよ。」 「へえ〜、そうなんだ」 「だからもう安心して!ハットマンはゲンちゃんの味方だからね。」 「うん、ハットマン。目にシャンプー入れないでね。」 「もう大丈夫だよ。じゃあ、いくよ!」 「あれ、変だな?目も痛くないし、口にもお湯が入らないね。ゲンちゃんもう大丈夫!!」 「ゲンちゃん、ハットマンが来てくれてよかったね」 「うん、ハットマンありがとう!パパも小さいときはゲンちゃんとおんなじだったんだね。」 「へへ、そうだよ。みんなハットマンのお世話になってるんだよ。」 「それじゃあ、ハットマンはまた次のところへ行かなくてはならないので・・・。もう大丈夫だね!親子仲良くね!では、バイバ〜イ!」 ハットマンは、また次のところへ行くのでありました。 それゆけ!ハットマン。 |
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