それゆけ!ハットマン4 じいじ&ばあばホームへ
今までいろんなところへいってみたが、久しぶりに花川町へ行って見ようかな。
それゆけ、ハットマン!お出かけだ!

毎日いろんなところをかけめぐっているから、なかなか場所がわからないなあ。
花川町もすっかりかわっているみたいだな。

ハットマン挿絵 あっ、そうそう、あの大きな木があったところだったね。
子供達も何人か遊んでいるみたいだね。
あのこかげでちょっと様子を見てみることにしよう。

あれ、一人だけ背を向けている子がいる。
下ばかり見ているし、仲間はずれにされているのかな。
もう少し様子を見てみよう。

そんなとき、別の子供がハットマンのいる大きい木の方を見て、何だか変なしぐさをしています。

「ねえねえ、今ね、あのこかげで変なものが見えたよ!」
「何が見えたの?」
「なんだろうね?」
「ハットマンみたいだったけど・・・」
「え〜、ハットマンが・・・」
「まさか、ハットマンが来るわけないよ〜」
「うそだろう〜」
「本当だよ!」
「じゃあ、ふたてにわかれて近づいて見よう!」
「そっと、そっと気づかれないように少しずつ進むのだよ」
「なっちゃん、どうした。行かないのか?」
「ぼく行かないよ〜」
「何で?」
「僕ハットマンなんて知らないよ」
「なっちゃん、ハットマンのこと知らないの〜?」
「そんなの聞いたこと無いよ!」
「じゃあ、なっちゃんここで待ってなよ。」

みんなで大きな木のまわりをぐるっと廻ると、やっぱりハットマンがいました。

「うわ〜、ハットマンだ!ハットマンがきたぞう!」
それを聞きつけた大勢の子供達が集まってきて、大騒ぎとなりました。

しかし、なっちゃんだけが何にもおもしろくなさそうな顔をしています。

「なっちゃん、おもしろくないの?」
「うん、ぼく何にもおもしろくないよ。一体ハットマンってなにするんだよ。」

「ハットマンは、お風呂に入って頭を洗うとき、目が痛くて、口にお湯が入って、泣いている子供達や、そんな子供達に困っているパパやママを助けてくれるんだよ。」
「そんなの聞いたこと無いよ〜!僕のパパやママだって知らないと思うよ。」
「そんなはずはないよ。じゃあ、なっちゃんのママに聞いてみようよ!」

子供達はなっちゃんの家へいって、なっちゃんのママに聞きました。
「おばちゃん、今ね、ハットマンが来ているよ。ハットマンって知ってるよね?」
「ハットマン?なんだろうね。それは食べるものか何かなの?」
「違うよ、頭を洗うときに泣いて困らせる子供を助けてくれるんだよ!」
「ふ〜ん、そんな人がいたら助かるわね。なっちゃんも毎日頭洗うたびに泣くから、ママも困っているのよね。」
「おばちゃん困ってるの?」
「そりゃあ、困っているわよ。」
「ハットマンはおばちゃんとこみたいに困っているママやパパの味方なんだよ!」
「へえ、そんなこと初めて聞いたわ。」
「じゃあ、ハットマンを呼んできてあげるよ!」

「さあ、なっちゃん、早くハットマンを連れてこようよ!」
「ハットマン!なっちゃんのママが困っているよ!」
「わかった!ハットマンの出番だね。」

ハットマン挿絵 「こんにちは、私がハットマンです。」
「ハッ!」
なっちゃんのママは、本当にハットマンなんているとはおもっていなかったので、びっくりしました。

「さあ、驚いていないで、早速なっちゃんの頭を洗いましょう!」
「・・・お、お願いします。」

「さあ、いくぞ〜!なっちゃん。シャンプーつけるよ!」
「僕・・・、目痛くならない?」
「だいじょうぶ!さあ、はじめよう!ゴシゴシ、どうだ!気持ちいいか?」
「うん、ぼく気持ちいいよ。目も痛くないよ!口にもお湯が入らないよ!もう、へっちゃらだよ!ママ〜!ぼくもう頭洗うの平気だよ!」
「そう、良かったわね。ママ、本当にハットマンのこと知らなかったのよ。」
「ママの小さい頃にもハットマンがいたんだってね。」
「・・・ママのおうち貧乏だったから、ハットマンのこと知らなかったのよ・・・でも、本当にハットマンのおかげで助かったわ。」
「うん、ハットマンありがとう!」
「ママ、何にも知らなくて恥ずかしいわ。」
「何も恥ずかしいことはないですよ。これからはハットマンが守ってあげます。それでは、また次のところへ行かなくてはならないので・・・バイバ〜イ!」
それゆけ!ハットマン。

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