それゆけ!ハットマン9 じいじ&ばあばホームへ
今日もすがすがしい気持ちのいい日だ。

都会から離れて、田舎の方に行って見ようかな。

お〜、ここは山が深くて、空気も澄み切っていてとてもいいねえ〜!

こんなところで子育てしている人達は恵まれているね。

こんないいところでも、子供よりもお年よりの方が多くなってきているんだろうねえ。

田んぼ道を歩くのも久しぶりだ。

あっ、田んぼで仕事をしているようだ。

おじいちゃんだね。
もしかしたら、政ちゃんのじいちゃんかな?
政ちゃんは、今いくつになったんだろう?
ハットマンのこと覚えてるかな?
懐かしいなあ。

「こんにちは、政ちゃんのおじいちゃんじゃないですか?」
「おお、おら政のじいじだ。あんた誰だ?」
「あっ、私ですか?私は5年ほど前に政ちゃんのところへきたことがあるんですよ。」

「そうなのか、けどおらよく覚えてないなあ。よく顔見せてみろ。・・・あ〜、どこかで見たことあるなあ。ええと、ええと・・・。歌手の方じゃあないし・・・もしかしてあんた映画に出たことある方かね?東京じゃあ有名な方なんじゃろう?」
「いいえ、そうじゃありません。」
「もう1回よ〜く顔を見せておくれ。あ〜、あ〜、なんだそうだったのか。ハットマンじゃねえか。いや〜、この辺では、あまりこんな色男見たことないからさあ。おらあ、てっきりどこかの俳優さんかと思ったよ〜。いや〜、こうやって見るとハットマンさんはなかなかの男前だねえ。」

「いいえ、そんなことないですよ。」
ハットマンはすっかり照れてしまいました。
このおじいちゃんはすぐに私のことをわからなくて、悪いと思ってゴマでもすったんだなあと思いました。

「ところで、ハットマンさん、今日はどこへきたんだべ?」
「いいえ、特に・・・今日はあんまり天気が良かったし、この辺が急に懐かしくなったもので・・・政ちゃんは元気かなあ、顔でも見たいなあと思って来て見たんです。」
「おお、そうかい、そうかい。政も今はもう学校に行ってるよ。」
「そうですか、じゃあもうハットは使っていないでしょうね。」
「ああ、政には弟がいてなあ、弟にハットを貸してあげてるよ。弟も喜んでハットマンだ、って喜んで頭を洗っているよ!まあ、立ち話もなんだから、お茶でも一杯飲んで行かねえかあ?」
「ええ、本当はゆっくりしたいのですが、他にもまわるところがあるので、今度ゆっくりおじゃまします。」
「おお、そうかい、ハットマンはあいかわらず忙しいのう。なかなかの男前だから、あっちこっちから声がかかるんだろうねえ。こんな男前には、さすがのおらも今じゃあかなわんなあ。これでもわしも若い頃はよくハットマンに負けねえくらいもてたもんじゃよ。はっ、はっ、はっ!」

おじいちゃんの言葉を聞いて、ハットマンは、政ちゃんのおじいちゃんが元気に長生きしている理由がわかった気がしました。

「おじいちゃん、それじゃあそろそろ行かなくてはいけないので。突然おじゃましてすみませんでした。では失礼いたします。政ちゃんによろしくお伝えくださいね。」

「おうよ、ハットマン!」

それゆけ!ハットマン。
次は君のところだ。
楽しみに待っていてね。

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