親子の会話　「変なの」

おかあさん、たっちゃんねえ、きのう、かずおくんとかずおくんのママと一緒にスーパーに行ったんだあ。 そしたらね、かずおくんがお店のお菓子を持ったまま、あっちへいったりこっちへいったりしてねえ。 そんでねえ、お菓子の袋を開けて中を見たりしてたんだよお。 たっちゃんは、そんなことしたの？ ううん、たっちゃんはそんなことしないよう。 かずおくんのママは、かずおくんに「お菓子を持ってあっちこっちへいったり、袋を開けてはいけませんよ！」って言ったのよね？ ううん、かずおくんのママはなんにもいわなかったよう。 ・・・そうだったのう。 うん、たっちゃんは、おかあさんにいつも「ちゃんとお金を払って、お家に帰ってから食べましょうね」って言われてるから、ぜったいにそんなことしないよう。 そうよねえ、でもお店の人になにか言われなかったのかしら？ あっ、そうそう。かずおくんねえ、おかいものにきてた人から言われてたよう。 えっ、なんて言われてたの？ うんとねえ、「ぼうや、まだ買ってないものは、開けちゃだめなのよ。お母さんにちゃんと聞いて、いいよっていったら、かごに入れて、お母さんがお金を払ってから、お母さんにもらうのよ」って言ってたよう。 そうよねえ。 でもね、かずおくんのママねえ、その人の前でかずおくんに変なこと言ってたよう。 変なことって？ うん、「こら、おばちゃんにおこられるわよ！おばちゃんが見てるんだから、そういうことはやめなさいな。ほら、まだおばちゃんが見てるわよ。こわいおばちゃんもいるんだからね。気をつけなさいな、かずお。」って。 ・・・そう。 たっちゃんねえ、まだ小さいけど、かずおくんのママが言ってること変だなあって思ったの。 それにね、別のおばちゃんも変だったよ。 変って？ たっちゃんと同じくらいの男の子がお菓子持って歩いてたんだけどね、そのままかごに入れないでずっと持ったままだったの。レジに並んでるときもだよ。そしたらねえ、お店の人がねえ、その男の子に「そのお菓子もそうかなあ。」って言ったの。でもね、そのママねえ、「子供になんてこというの！見ればわかるでしょ！」って、おこってたの。こわかったよう。でね、その男の子にねえ、「だめでしょ！ママのあとついてきちゃ！」って言ってたの。なんでそんなこと言うんだろうね？ 本当ねえ、でもたっちゃんはいいこねえ。ちゃんとそのおばちゃんたちが変なこと言ってるってわかったのね。 うん、ぼくいいこだよ。 だって、おかあさんいつも教えてくれるから！ ぼくおかあさんの子供でよかったなあって思ったもん。 ありがとう、たっちゃん。 本当にいいこねえ。

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