おかあちゃんの手 |
おかあちゃんの手、不思議だなあ。 手の平を見せたとき、手の平をにぎったとき・・・ なんて不思議な手なんだ。 うれしい時、楽しい時、かなしい時、おこった時、こまった時・・・ 手の動きでわかる、言葉で云わなくても。 よちよち歩きの時、両手でささえてくれた。 散歩する時、しっかり手と手をにぎりしめてくれた。 なんて温かい手なんだ。 かけっこの時、がんばれ、がんばれと上下に行き来して、かけ声かけてくれた。 時にはよくやったねと両手をにぎりしめ、体をだきしめてくれた。 手がうれしそうだ。 がんばった時は、よくがんばったねと頭をなでてくれた。 悲しませた時は口では云わないけど、じっとみつめて手をにぎってくれた。 負けたらだめだよ、と手が云っているようだった。 手をにぎったり、ひらいた時にその時の調子がわかった。 早く気がついてくれと、手が云っているようだった。 その手も50年もたてば、しわしわになっていた。 おかあちゃんの手はいつのまにか、しわしわになっていたんだ。 気がつかなかった・・・ おかあちゃんの手は家族たちの事、みんな知っていた。 何も話しをしなくても手は口と同じように子供たちの成長を見届けてくれた。 そのおかあちゃんのしわしわの手を見ることがなくなってしまった。 さみしいものだ・・・ たとえ、開いたり、閉じたりしなくてもいいから、いつまでも、おかあちゃんの手をみていたい。 おかあちゃんの手は宝だ。 何もなくてもおかあちゃんの手は家族、子供たちに色々教えてくれた。 本当におかあちゃんの手は宝だ。 この宝も永遠にあるわけではなかった。 あのぬくもりのある宝よ、いつまでも思い出す。 このおかあちゃんのぬくもりは次の世代に残してあげたい。 いい思い出だ。 おかあちゃんのぬくもりが続くよう残していこう。 この宝を大事にしていこう。 おかあちゃんのぬくもり、不思議な手ありがとう。 |
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