仲良くしてね! じいじ&ばあばホームへ
私はネズミのチュー吉と申します。

今日も行く当てがないなあ。
あれ?なんと、マサちゃんの家のドアが開きっぱなしだ!
なんて戸締りが悪いんだ。
ドロボーに入られるよ〜。

そっと中の様子を見てみた。
人影がないのでさらに家の中に入ってみた。
するとなんと、その家の中はチュー吉の遊ぶ所にもってこいだった!

台所やあっちこっちの部屋に入ってみると、チュー吉が住むのに楽しそうだった。
チュー吉はマサちゃんの家で楽しませてもらったから、そろそろ帰ろうと思って玄関に行った。
すると、あっ、大変だ。
なんてことだ。
外に出ることができない。

マサちゃんのお母さんがドアを閉めてしまったのだ。
おろおろしていると人間の足音が聞こえてくる。
大変だ。
でも、隠れる場所がたくさんあるから大丈夫かもしれない、このまま隠れてよう。

やがて夜になり皆が寝静まったとき、チュー吉は腹もへったし何か食べるものはないかと台所へ行った。
そこには食べ物がたくさんあってチュー吉が生きて行くのに心配はないようだった。
チュー吉は思った。
なにも、外で雨の中、風の中、ごみの中、どぶの中で生活することはない。
これからはマサちゃんの家に住もうと決めた。

2、3日後、お母さんが何か変だな、この袋穴があいてる。
あれ、パンが少しかじられている。
もしかして、この家にネズミがいるのではないかと騒ぎだした。
チュー吉もお母さんに気づかれたと思った。
でも外に出ることができず、じっとしていた。

数日後、マサちゃんのお父さんとお母さんがネズミ捕りのかごやネバネバしたものを用意してあちこちに置いていた。
しかし、チュー吉にはばれていたのだ。
なぜかというと、マサちゃんの家族で毎晩ネズミ捕りの作戦をねっているのを聞いていたからだ。
今日はここにネズミ捕りおいておくからねと、チュー吉はわかっているのでつかまることはない。

ところが何度か失敗した。
皆が寝静まったころ、あっちこっちかじりまわっていると、お母さんが、ねぇー何かゴソゴソ音がするよ。
お父さんとお母さんが起きてきて、さがしまわる。
チュー吉はゴミ袋のかげでじっとしていると、お母さんがそのゴミ袋を持ち上げた。
チュー吉はおどろいたよ。
お母さんは、キャーと叫んで、お父さん、ネズミ、ネズミ、玄関のほうへ逃げていったよ。
しかし、チュー吉は家の中を知り尽くしていたので安心して逃げることができた。

こんな目にあうこと4、5回、ついに台所の隠れ家を発見されてしまった。
その穴をふさがれてしまった。
また、ネズミがきらいなにおいがでるというネズミよけをあちこちにおかれてしまった。
もうマサちゃんの家で生活するのはあきらめたよ。

次はあなたの家にうかがおうと思うが、手荒なことはしないでね。
チュー吉も生きていくのが大変なんだ。
いつか、チュー吉も人間のペットとして大事にされたいなあ。
仲良くしてね!

チュー吉より

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