顔だけは出ないでね じいじ&ばあばホームへ
ちょっと話しを聞いてもらえますか?
こんなに驚いたのは初めてで、心臓が止まるかと思いました。

それは、街の公園で一休みしていたときのことでした。
若い娘さん、たぶん高校生くらいだと思いますが、携帯電話で話しをしていたんです。
別に聞くつもりはなかったのですが、大きな声で話しているもので・・・
どうも相手は母親のようで、「今学校の帰りだよ」と言っていました。
恐らく母親は「また、フラフラどこかで遊んでるんじゃないの?」と言っていたようです。
娘さんは、「違うよ〜。じゃあ切るね!」と言って電話を切ろうとした、その時でした。

突然、携帯電話の上の方がギューッと大きい風船のようにふくらみました。
何だろう?と思っていると、それはその娘さんのお母さんの顔でした。
そして、お母さんは言いました。
「ほうら、学校帰りだなんてうそでしょう!また街でうろついているんだから!」

それを見た私は、腰が抜けるかと思いました。
携帯電話で写真をとったり、顔を見ながら会話ができる、などどんどん進歩していたのはテレビなどで知っていたが、まさかここまで進歩していたとは、本当に驚きました。

すると娘さんが「うるさい!ばばあ!」と怒鳴っているのが聞こえてきました。かわいらしい娘さんがそのようなことを言うなんてちょっと悲しくなってきました。
でも娘さんの気持ちもわからないでもないです。
だってもし、自分だったらと考えたらゾッとします。
ちょっと仕事帰りに飲みに寄っても、おかあちゃんから電話があったら、残業だなんてうそもつけやしない・・・
私達サラリーマンの楽しみを奪わないで欲しいものです。
技術が進歩することはすばらしいけれど、せめて携帯電話から顔が出るようなことだけはないように願っています。

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