山の草花の声 じいじ&ばあばホームへ
春が来る日を待ちに待っていたんだ!
重い重い雪の下からやっと空が見えたときはうれしかったよう!

ぼくが目をさましてから数日たって、周りのみんなもやっと眠りからさめたんだ。

あ〜あ〜、うれしいやあ
あ〜あ〜、空気がいいやあ
空を見ると気持ちがいいねえ!

などと気持ち良さそうに空を見上げ、大きなあくびをしているよ!

春がきてとってもうれしいけど、悲しいこともあるんだよ。

ぼくたちを見にたくさんの人間達が山を登ってくるんだ。
でも、人間達の中には心無い者もいて、ぼくたち仲間は泣かされることもあるんだ。

例えば平気でぼくたちを足で踏み潰したり・・・
そうそう、昨年の秋のこと・・・。
朝になって昨日までとなりにいた仲間がいないので、どうしたのかなと探していると、向こうのほうから草花たちが話しているんだ。
根こそぎ仲間をもっていった人間がいたんだって。
何でも人間達の話では、ぼくたち仲間は高く売れるらしく、とっても金儲けになるんだって。
それに珍しいから、自分の庭に植えて、近所の人達に自慢するらしいよ。
ぼくたちは、人間達の手に渡り、どんなに重宝がられていても、全然うれしくないよ。
だって、ぼくたちはこの山が好きなんだ!
そして、仲間と一緒に空を見上げるのが好きなんだ!
高く売られても、庭に埋められても、ぼくたちが悲しそうにしていることはそういう人間達にはきっとわからないのだろうね。

決してぼくたちは、人間が嫌いなわけではないんだよ!
だってぼくたちに会いに山登りにきてくれるんだもの。
大歓迎だよ!
でもゴミを捨てたり、足で踏み付けたり、根こそぎもっていくことはやめてね!
ぼくたちはこの場所で仲間達と一緒にいるのが幸せなんだよ。
それに人間たちが「なんてきれいなんだ!」って誉めてくれるは本当にうれしいんだ。
ぼくたちはそんな人間たちの素敵な笑顔がたまらないよ!
これからもぼくたちに会いに山のぼりをしてきて、心を休めてほしいんだ。
だから、みんなマナーを守ってね。
ぼくたちは笑顔で元気に迎えるよ!

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