小さくなったおかあちゃん じいじ&ばあばホームへ
おかあちゃんの背は大きかった。
小さなぼくは、なんておかあちゃんは大きいのかと思った。
これだもの、よく働き、ぼくたち兄弟を育ててくれたんだね。

あれから30年・・・
おかあちゃんはなんて小さいんだろう。
こんな小さな身体でよく働いていたもんだ。
不思議だなあ。
もしかしたらおかあちゃんは小さく縮んでしまったのかなあ。
ひょっとしたらぼくが大きくなりすぎたのかな?

どんな苦しい時もおかあちゃんが涙を流してるのを見たことはない。
おかあちゃんには涙が無いのかなあ?なんて思っていたよ。

今では、おかあちゃんがよく涙するのを見かけるんだ。
最初は、どこかからだの具合でも悪いのかと思っていた。
そうではなかった。
ぼくたち子供が無事大きくなったこと、いい子に育ったことに安心し、涙を流していたんだって。
でも何故安心して涙が出るのかぼくには不思議だ。
涙を流しながらぼくの手を握ったおかあちゃん。
あんなに大きかったおかあちゃんの手は、小さく、力が無かった。

ぼくが小さな頃は、あんなに大きかったおかあちゃん。
今はこんなに小さく弱々しいおかあちゃん。
おかあちゃんのためにぼくは頑張って行こう!と心に誓った。

このページの先頭へ    親子家族メニューへ    童話メニューへ  ホームへ