なっちゃんは宝物 |
なっちゃんが3才の頃、おかあちゃんと二人暮らしだったね。 おとうちゃんは、なっちゃんが赤ちゃんのときに、お星様になってしまったの。 ある日、道を歩いているとき、なっちゃんは親子連れが手をつないで歩いている姿をじっと見つめていたよね。 おかあちゃんが「なっちゃん、何見ているの?」と聞いても、なっちゃんは何もいわずに寂しい感じだったよ。 おかあちゃんがその親子連れを見ると、何の不自由もない優雅な感じだったので、なっちゃんに随分不自由な思いをさせているんだなあって、かわいそうに思ったの。 だから思わずおかあちゃん「なっちゃん、お金持ちの子供になりたい?」って聞いたんだ。 でも、なっちゃんはとても悲しい顔をして「いやだ〜!いいこにしてるから。おかあちゃん大好きだから。貧乏でもおかあちゃんの子供がいい!」と。 おかあちゃんは、なっちゃんが必死になってるのを見て、何だか力が抜けて、ニコッと笑っちゃった。 「そうね、お金なんかなくったって、なっちゃんとおかあちゃんはいつも一緒がいいよねえ。おかあちゃんもなっちゃんのこと大好きよ。」 おかあちゃんは、なっちゃんにこれ以上不自由な思いをさせないようにと、朝早くから夜遅くまで働き続けたの。 なっちゃんも、そんなおかあちゃんを頑張って応援してくれたよね。 なっちゃんももう20才になったね。 とってもやさしい、いい子に育ったね。 たとえ貧乏でも、親子二人心を一つにして、手をとりあって頑張ったおかげかな。 これから先、もっともっと大変なことあるかと思うけど、おかあちゃんはもうなっちゃんを泣かせるようなことをしないつもりよ。 なっちゃん、今日も笑顔だね。 なっちゃんのおかげでおかあちゃんは毎日が楽しく、幸せ。 なっちゃんは、おかあちゃんの宝物だね。 ありがとう、なっちゃん。 |
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