さみしいね |
けんちゃん ママ、あのね、こんどね、ファミリーレストランができるんだって。 ママ へえ、どこにできるの? けんちゃん この先のところだよう!お店ができたら、食べにいきたいね。 ママ そうねえ、こんど、おいしいものでも食べにいこうか! それから数日後、ファミリーレストランが開店しました。 ママ けんちゃん、ファミリーレストランへ行こうか! けんちゃん うん! ママ うわー、素敵な建物ねえ。ママこういうところで働きたいわ。 けんちゃん うわー、ママがここで働けば、いつでもおいしいものが食べれるね! ママ まあ、けんちゃんたら!うふふ。 そして店内に入るといきなり「いらっしゃいませ」の声が聞こえてきました。 しかし、何故か店員さんの姿が見えません。 あたりをキョロキョロ見まわすと、小さなロボットがいました。 そのロボットは、席まで案内してくれ、注文を受け付け、運んできてくれました。 このレストランはロボットが何でもしてくれるのでした。 レストランにはロボットとお客さん、そしてレストラン唯一の人間・店長さんがいました。 ママは、店長さんに「なぜロボットばかりいるのですか?」と聞いて見ました。 すると店長さんはこう答えました。 「ロボットは何があっても顔色や態度が変わることはありません。給料も不要です。それにもかかわらずお客様へは親切第一で行動し、お客様からは大変喜ばれますから。」 ママはなっとくしました。 自分が働けば、高い給料の方がいいし、具合の悪いときもあるし、いつもニコニコしていれる自信はない・・・ でも、ママは何だかさみしく思いました。 ロボットがこんなに素晴らしかったら、もう人間が働く場所も少なくなるかもしれない・・・ ロボットが運んでくれたおいしい食事がなぜか味気のない気がしました。 無邪気にロボットを見て喜んでいるけんちゃんの顔をみて、さみしそうに微笑むママでした。 |
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