パパになったまあ坊 |
まあ坊と呼ばれていた僕も、今では二児の父親です。 父親になってわかったことがあります。 昔、僕が小さかった頃、母が家族みんなに少しずつお菓子を分けてくれることがよくありました。 でも、父さんは決して配られたお菓子に手をつけることはありませんでした。 僕たち子供は、父さんの分のお菓子にクギ付けでした。 そんな僕たちの様子を見てか、父さんはそのお菓子を僕たちにくれるのです。 きっと父さんは、お菓子があまり好きではないのかな?と思っていました。 そして今僕の目の前にお菓子が置いてあります。 たまに食べるお菓子は、またおいしい。 でも、僕はそばにいる子供達がじっと僕のお菓子を見ていることに気がつきました。 ああ、僕の分は子供達に食べてもらいたいと、心から思いました。 子供達にニコリとして、僕のお菓子をあげました。 子供達は目をキラキラ輝かせながら、仲良くお菓子を分けて食べていました。 その愛らしい姿をほほえましく見つめておりました。 そのときわかったのです。 僕の父さんも決してお菓子が嫌いだったわけではないということを。 僕たち子供が喜ぶ姿を見るのがうれしかったのだということを。 僕は変わっていないつもりでいたけれど、すっかり父さんに似たようです。 家族を持つ幸せ、子供達の笑顔、それが父親になったまあ坊の宝物です。 |
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