栗拾い じいじ&ばあばホームへ
今日は、おかあちゃんと一緒に栗拾いに行った。
ぼくは落ち葉の中を手でさぐっていたら、何かにぶつかるのを感じた。
すると、「痛いよー、痛いよー」と声が聞こえてきた。
ぼくはびっくりして落ち葉をどけると、栗とぼくの手がぶつかっているのが見えた。
ぼくも急に痛みを感じた。
「痛いよー!痛いよー」

少し離れたところで栗拾いをしていたおかあちゃんは、いろいろ声がうるさいので慌ててぼくのところへやってきた。
そして、栗とぼくの手を見て言った。
「大丈夫、手を離してごらん。栗さんもびっくりしたんだよ。」
ぼくは、ゆっくり手を離し、栗を見た。
すると、イガイガの中からチョコッと顔を出して何か言っているようだった。
「こんにちは!」
ぼくはびっくりしておかあちゃんを見た。
「あら、本当!でもニコニコしてるわ。かわいい。」

栗は安心したのか、イガイガから顔を出してキョロキョロと見まわしている。
そしてぼくとおかあちゃんを見て「君たちなら大丈夫だね。大事に拾ってね!」といった。

すると遠くの方で「痛い!」と大きな声が聞こえてきた。
栗はまたかあという顔をしながら言った。
「栗だって大事に拾ってくれる人に拾われたいんだ。乱暴に扱う人にはこのトゲトゲをむき出して攻撃だ!」

ぼくとおかあちゃんは、顔を見合わせて微笑んだ。
そして大切に栗拾いをしはじめた。
辺りからは「痛い!」「痛い!」と声が時折聞こえてくる。
乱暴に扱う人間に、きっと栗が怒っているにちがいない。

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