痛かったね |
マーボーはいつも忙しいおかあちゃんと久しぶりに散歩に出かけました。 「うれしいな、うれしいな。お母ちゃんと散歩するんだ。ルンルンルン♪ 大きい川の流れる岸辺に小さな花がたっくさん咲いているところへ、おにぎりを持っていくんだ。 うれしいな、うれしいな。」 岸辺に着いたマーボーは小さな花がたくさん咲いているのを見てうれしくなりました。 「うわー!きれいだねえ!」 マーボーは両手を広げてグルグルと走りまわりました。 そしてはしゃぎ過ぎたマーボーは転んでしまいました。 「痛いよ!痛いよ!」 マーボーは泣き出してしまいました。 お母ちゃんはマーボーのと頭を優しくなでました。 「大丈夫よ、痛くないわよ。」 「うわーん!うわーん!」 あまりにもマーボーが泣くので、おかあちゃんは言いました。 「ほら、見てごらん、マーボーの下に小さなお花がたくさんあるでしょう。マーボーも転んで痛いかもしれないけど、お花の方が痛そうよ。でも、お花は痛い、痛いっていわないね。きっと我慢してるんだね。」 「えっ!?」 マーボーは泣くのをやめて、お花を見ました。 小さなお花は少し横に倒れていました。 「マーボーだけ痛いんだと思ってた。ごめんね、そんなに痛くなかったよ。どこもケガしてないし。おかあちゃんに助けてもらいたかったの。ごめんね。」 おかあちゃんは優しくほほえみ、マーボーの頭をなでました。 マーボーはスッとたちあがり、お花に謝りました。 「お花さん、ごめんね。痛かったね。」 岸辺の小さな花は風にそよそよと揺れました。 |
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