仲良し じいじ&ばあばホームへ
「ねえ、お母さん不思議だね。むくどりはすごいねえ」
4、5歳くらいの男の子は空を見上げながら手をつないでいる母親に話していた。

空はむくどりで真っ黒だった。

「ほらあ、あんなにたくさんいるのに、何でぶつからないの?すごいよねえ」
「そうねえ、なんでだろうねえ」

むくどりの大群は一斉に向きを変えた。

「ほらほら、あっち向いたり、こっち向いたりしてるのに、何でぶつからないのかなあ?」
「そうねえ、不思議ねえ」

男の子はずっと上を向いていたので、つまづいてしまった。
母親がしっかり手をにぎりしめていたので、男の子は転ばなかった。

「むくどりって運動神経いいのかなあ?それとも誰かが命令だしてるのかな?」
「さあ、どうなんだろうねえ」

男の子は母親にニコリとほほえむと、母親もニコリとほほえんだ。

「むくどりってきっと仲良しなんだね、だって息ぴったりだもん」
「そうかもしれないねえ、仲良しだからかもね」

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