ママと洗濯機 |
洗濯機 「ああ、わたしも人間になりたいよ〜」 ママ 「なんだろう?変な声が聞こえたわ。おかしいわ。気のせいかしら?」 洗濯機 「ああ、人間がうらやましいなあ」 ママ 「あれ、やっぱり何か聞こえるわ。何だか情けない感じの声だけど・・・」 洗濯機 「ママはいいよなあ。テレビを見たり、お菓子を食べたり、いつも笑って楽しそうだなあ。わたしにはそんな楽しみないからなあ。わたしは動きはじめたら休む暇なんかないしなあ。ときどきゆっくり動いていると、もっと早く洗濯終らないのかなあ?とせかされるし・・・わたしだって少しは休みたいよお」 ママ 「ああ、やっと終ったわ。もっとすぐに洗濯終らないのかしら。時間がもったいないわ」 洗濯機 「・・・わたしがいるから楽しい時間もつくれてるんじゃないのかなあ?少しは感謝してほしいよ」 ママ 「ポンと押したら、パッと出来る洗濯機ってないのかしらね」 洗濯機 「・・・ああ、わたしなりにがんばってるんだけどなあ・・・そんなふうにいうなんて悲しいよ・・・グッスン」 ママ 「あれ?どうしたのかしら、洗濯機が悲しそうだわ」 洗濯機 「シクシク、シクシク」 ママ 「・・・そういえば、この洗濯機を使い始めてからもう10年ねえ。故障しないでよく動いてるわねえ。そう考えてみるとすごいわねえ」 洗濯機 「・・・」 ママ 「ちょっと嫌なことがあって、何だか洗濯機にまで八つ当たりしていたかもしれないわ。ごめんね洗濯機さん」 洗濯機 「・・・ママもいろいろと大変なんだな」 ママ 「さあ、今日も気合を入れてがんばらなくては!」 洗濯機 「こうやってママに喜ばれるならがんばるよ!それがわたしの楽しみだからね!」 |
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