嫌われた赤ちゃん

オギャー！ 今日も赤ちゃんが生まれたようだ。 けれどだれも喜んでいない・・・ それどころか、あちらこちらで大騒ぎになっている。 また生まれたのか！？ そりゃあ大変だ！ こんなことしてられない！ さあ、帰って準備しなくては！ どっかへいってしまえばいい！ そうだ、消えてくれればいいのに！ 何てことだろう。 せっかく新しい命が生まれたのに、こんなに嫌われる赤ちゃんがいるなんて・・・ みんなの様子とは反対に、この赤ちゃんはとても元気だ。 わーい、わーいと言わんばかりに、元気に動きだす。 赤ちゃんが元気に動けば動くほど、みんなは身を縮め、顔をしかめている。 赤ちゃんが静かになった後は、みんなはため息と悲しみでいっぱいになる。 あーあ、よくもこんなにしてくれた・・・ 町は水浸し、屋根は吹き飛び、途方に暮れる人々。 この赤ちゃんの名前は、台風。 どおりで生まれても喜ばれなかったわけだ。 オギャー！ またどこかで恐ろしい赤ちゃんが生まれてしまったようだ・・・

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