風の子 じいじ&ばあばホームへ
トシくんは、とっても寒がりです。

ママがいっしょにお買い物に行こうと言っても
「外は寒いから、お留守番してるよ」

お友達が遊びに行こうとさそいにきても
「外は寒いから、中で遊ぼうよ!」

ママはそんなトシくんを見て言いました。
「トシくん、子供は風の子。元気に外で遊ぼうね!」

トシくんは、泣き出しました。
「イヤだ!イヤだ!家の中で遊んでる方がいいよ!」

ママはトシくんに言いました。
「さあ、子供は風の子よ。寒くないから外へ行ってみようね」

トシくんはますます大声で泣き出しました。
「えーん、えーん、ぼくは風の子じゃないよう!ママの子だよー」

ママはびっくりしたけど、笑い出しました。
「そうか、そうだったのね。そうよ、トシくんはママの子よ。大事な大事なママの子よ」

トシくんはピタリと泣き止みました。
「ほんとう?風の子じゃないの?ママの子なの?」

ママはニッコリしてうなずきました。
「なんだ、いつも風の子でしょう!って言うから、ぼく悲しかったんだよ」

ママはやさしくトシくんをつつみこみました。
「ごめんね、トシくん。風の子って言ったって意味わからないわよね。そうね、トシくんはママの子だから安心してね」

トシくんはうれしそうにママを見つめました。
「うん!ずっとママの子だよ!もう風の子って言わないでね!」

外ではピューとつめたい風が吹きぬけていきました。
風の親子が楽しそうに遊んでいるのかもしれません。

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