やせっぽちな大根 じいじ&ばあばホームへ
そろそろ秋だ。
大根の種を植える時期となったね。

おじさんとおばさんは畑を耕した。
そして大根の種を植えた。

それから数日後芽が出てきた。
おじさんは「おお!大根の芽が出た」と大喜びでした。
そんなにおじさんの喜ぶ顔を見て、大根の私は早く立派な大根になって、おじさんに喜んでもらいたいと思った。

やせっぽちな大根挿絵 でも他の大根の仲間と比べると私は少し違っていたようだった。

やがて大根の間引きという作業が始まった。
大きく育つ大根だけを選んで畑へ残して育てるというものだ。

その中にやせっぽちの私が一本混じっていた。

おじさんがこれはダメだなと抜こうとした。
私は、おじさんの方をじっと悲しそうに見つめた。
その思いが通じたのか、「これは残すか」とおじさんが言ってくれた。

しかし、なかなか月日がたっても私は他の仲間と少し違っていた。
やせて、今にも倒れそうだった。

それでもおじさんは大事に手をかけて育ててくれた。
そんなおじさんの思いとは別に私は大きくなることはなかった。

やがて、収穫の時期になり、みんなとお別れの日がきた。
それぞれ市場に運ばれて色々な店に散り散りになった。

私は、畑でたった一本残されていた。
おじさんに大変申し訳なかった。
おじさんの役にたてなかった私はどうなるのかと悲しくなった。
「ゴメンナサイ!おじさん」と心の中で叫びました。

ところが、おじさんは、「このやせっぽちの大根は来年の私の宝だな」とおばさんに言った。
すると、おばさんは「そうだね来年頑張ってもらうかね。きっといい肥料になっておじさんを助けてくれるよ。」と言った。

「私のようなやせっぽちな大根でもおじさん、おばさんの来年の夢になるんだ」と申し訳ない思いと同じように、感謝と希望の思いで一杯になった。

早く来い!来年のため僕はおじさんのためにがんばるぞ!生きてて良かった!!

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