ななこへのお弁当 〜続き |
ななこはおかあちゃんにお金が無いことはよくわかっていた。 だからダダをこねておかあちゃんのことを困らせるようなことは決してなかった。 おかあちゃんと一緒にいれるだけでうれしかった。 おかあちゃんは、ななこもそろそろ学校へいく時期になったのでどうした良いか毎日一人頭を悩ませていました。 せめて高校までも入れてあげたい。 まずはどこか決まった場所に住まいを見つけなくては。 そうすれば仕事も時期に見つかるだろう。 そして、毎日毎日住まいと仕事を探していたところ、あるお店で住込でできるお仕事を募集していた。 早速そのお店で色々と事情を話してお願いをしたところ、その店のご主人はとても理解があって、おかあちゃんとななこを住込で働かせてくれることになった。 おかあちゃんは世の中にはこんなに心の優しい方もおられるんだと大変感謝の気持ちでいっぱいになった。 そんなご主人の気持ちにこたえるかのように、毎日毎日仕事に精を出して働き、仕事も大分覚え、楽しさも覚え、喜びも覚え、毎日毎日ありがたいことだと感謝していた。 人をだます人がいると思うととても残念な気持ちがする。 だまされた人はだます人を信じたから悪いのだろうか。 おかあちゃんには世の中のことはよくわかりません。 今はおかあちゃんもこの過ぎ去ったことを捨てて、忘れて、新しい明日に向って頑張ろうと、ななこと誓ったのでした。 希望と夢を持っていれば、必ずおとうちゃんと会える。 きっといい形で家族が再開できると楽しみにしています。 ななこはおかあちゃんにいつも言います。「いいこにしているから、ななこと一緒にいてね。」と。 おかあちゃんの弱い心を見透かされているように、ななこから強くしっかりしたまなざしで言われるので、親としての責任のなさをしみじみ感じ、ななこにすまないと思う毎日です。 でも、今は仕事に喜びを持って頑張っています。 そして、夢や希望もあります。 毎日毎日一歩一歩ですが、進んでいると思います。 そうすればいつか幸せが、笑顔が、みんなのもとへ戻ってくると信じています。 |
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