楽しいお引越し じいじ&ばあばホームへ
「やっとみんな歩けるようになったから、明日はお母さんといっしょにひろ〜いところへお引越しですよ。明日はみんなにとってはじめてのたいへんな1日になると思うから、今日はゆっくりおやすみなさいね。」

「は〜い」

引越しの朝がやってきました。

「さあ、みんなじゅんびはできてますね。元気を出して出発しますよ。」

「ねえ、お母さん。お引越しするならお役所でいろいろと手続きがあるんじゃないの?」

「まあ、よくそんなこと知ってるわね。みんなは気にしなくていいのよ。それよりもお母さんの言うことを聞いて、ちゃんとついてくるのよ。」

「は〜い」

「さあ、出発よ。ついてきてね。」

「は〜い」

「あら?みんなついてきてないわね。まあまあ、一番下の子が段のところでてこずってるわね。あの子はちょっと身体が弱いからね。みんな手を貸してあげてちょうだい。私は後ろから押すから、お姉ちゃんは前から手を引いてあげてね。」

「は〜い」

「よいしょ、よいしょ、ほらもうすこしよ。がんばらなくちゃ!みんなもがんばって段をあがってきたのよ。」

「うん、でもあたちはちっちゃいから段上がれないのよ。」

「そんなこといわないでがんばって!よいしょ、よいしょ、ほらもう少しよ。ほらあがれたでしょ。」

「うん、みんなどうもありがとう!」

「さあ、おかあさんのあとにちゃんとついてくるのよ。」

「おかあさん、歩くの少しはやいよ〜!もう少しゆっくり歩いてよ〜!」

「はいはい、わかりました。もう少しで大きい道路に出るからね。大きな車がたっくさん通るから気をつけてね。おかあさんから決してはなれたらだめよ。」

「は〜い」

「さあ、車がこないから今のうちよ!急いでおかあさんについてくるのよ。」

「は〜い」

「1、2、3。はい、わたりますよ。」

「うわ〜、おかあさんこわいよ〜!車がこわいよ〜!」

「だいじょうぶよ。おかあさんとくっついてたらだいじょうぶだからね。」

「うん」

「ほら、車が止まってくれたわ。」

「本当だ!」

「みんなこっちを見て私達が道路を渡れるかどうか心配してるのよ。ほら、車の中の人もニコニコして見ているでしょう。道路の周りの人だってみんなニコニコしてるでしょう。」

「うん、本当だ。」

「さあ、みんなお母さんにちゃんとついてきてね。もう少しで道路をわたりきれるからね。」

「は〜い」

「ほら、道路をちゃんと渡れたわね。止まってくれた車の人や応援してくれたみんなにちゃんとお礼をしてね。」

「は〜い。」

「みなさん、私達親子のためにご協力していただきありがとうございました。」

「ありがとう!ありがとう!」

「ほら、あそこが私達が住むところよ。」

「うわ〜!すごく広いね!うれしい!楽しい!」

「ほら、みんながこっちを見て、私達のお引越しが完了したのを喜んでくれてるわ。」

「本当だ!みんな拍手してるね。」

「私達はみんなに愛されているよ。これからもみんなに喜んでもらえるように、ここで幸せに暮らしましょうね。」

「うん、ぼくたち、カルガモに生まれてよかったね。こんなにかわいがられるなんて、本当によかったね。」

「そうよ」

「今度ぼくたちが大きくなってお引越しするときもみんなに応援してもらえるように、新しい住まいで仲良く楽しく暮らすよ!お母さん、ここにみんなを連れてきてくれてありがとう!」

こうして、大都会の真中にある池にかるがも一家が引越してきて、人々の心を和ませたのでした。

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