きつつき じいじ&ばあばホームへ
(キツツキ)
コツコツコツ、少し固いな、コツコツコツ・・・

(木)
いてて、だれだ?わたしに何をするの?やめて!

(キツツキ)
コツコツコツ、おっ、少し穴が開いてきたぞ!

(木)
いたいよ〜、いたいよ〜、だれか助けて〜

(キツツキ)
コツコツコツ、おお、少しずつだけど、なかなかいいほり具合になってきたぞ!

(木)
わたしが何をしたというの?あなたに何か気に障ることでもしたの?

(キツツキ)
あれ?だれかが話しているようだけど・・・。コツコツコツ

(木)
本当にやめて!わたしは手も足も出せないのよ!

(キツツキ)
コツコツコツ、何をいってるのかわからないけど、これがわたしの仕事だからな。

(木)
仕事?わたしのからだに穴をあけて、どんなにいたいかわかるの?

(キツツキ)
わたしにはいたみなんてわからないよ。コツコツコツ

(木)
さっきからずっとわたしのからだに穴をあけているじゃないの!

(キツツキ)
わたしは今仕事中だよ。仕事してるのがそんなに気に入らないのか?

(木)
こんなに言っているのに、わからないなんて、本当にあなたは自分勝手ね!

(キツツキ)
おれ、この仕事が一番の楽しみだし、楽しみがなくなったらどうしたらいいかわからないよ。

(木)
・・・ああ、いたくて気絶しそうだわ。だれか、助けて!

(キツツキ)
あともうすこしだな。ここはおれのすみかにするんだ。楽しみだな。

(木)
なによ、勝手にわたしに穴をあけてここにすみつくなんて最低よ!

(キツツキ)
なんとでも言ってくれ!おれはここにすむところができればそれでいいんだ!

(木)
もしわたしがうごければこんなことにならなくてすんだのに・・・

(キツツキ)
ああ、もうすこしだ!努力の成果だな。しごとは楽しいな!

(木)
全然わたしの話し聞いてないでしょう?!本当に自分勝手ね!

(キツツキ)
ああ、ようやく完成したよ。今日からここが新しいすみかだ。これで一安心だ!

(木)
なにをいってもむだなのね・・・結局わたしたちはただたっているしかできないから・・・泣き寝入り・・・

(キツツキ)
ああ、空気はいいし、いいねえ。

(木)
いたいし、くるしいわ・・・でもこれがわたしたちの運命なのかしら・・・自由に動き回れる日々を夢見て、今日もたえなくちゃね。

自由に飛びまわれるキツツキ、大地にどっしりと構える木。
どちらが幸せなんでしょうか・・・

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