親子の会話　「うみの親」

茂ちゃん エエーン、エエーン、エエーン お母ちゃん 何、泣いて帰って来たのよう。どうしたのう？ 茂ちゃん エエーン、エエーン お母ちゃん どうしたの？だれか、いじめたのう？ころんで、どこか痛くしたの？ 茂ちゃん エエーン お母ちゃん どうしたの、話してみてよう。 茂ちゃん エエーン、うん、あのね、お母ちゃん、海すきなの？ お母ちゃん 海？海はすきだよう。 茂ちゃん やっぱり、海すきなんだ。 お母ちゃん 茂ちゃん、どうしたの？ 茂ちゃん いや、なんでもない。 お母ちゃん お母ちゃんに話してみてよう。 茂ちゃん あのね、あそこの、おばちゃんたちがね、お話してたの聞いたの。 お母ちゃん 何のはなし？ 茂ちゃん 茂ちゃんて、お母さんに似てないね。本当のお母さんではないのではないか。 どこからか、もらわれてきたんでないのって、そしたらね、別のおばちゃんがね、何云ってるの、茂ちゃんは、本当の茂ちゃんのお母さんの"うみ"の母だよって、云ってたの。 お母ちゃん それで？ 茂ちゃん お母ちゃん、海から来たのかい？そしたら海に帰っちゃうのかい？ お母ちゃん 茂ちゃん、本当のお母ちゃんの子供だから"うみ"の子って云うのよう。 茂ちゃん そうしたら、あの大きい水がいっぱいある海でないの？ お母ちゃん そうよう、なにも、お母ちゃん、海から来たんでないのよう。 お母ちゃんから、生まれたから、本当のお母ちゃんの産みの子供だよう。 茂ちゃん 本当だよね、僕、お母ちゃんの子供だよね。うれしい！ 僕、間違っちゃったけど、うれしいよう！ お母ちゃん あのおばさん達、いやな事云うね。こまった事だ。 茂ちゃん あぁ、お母ちゃんは、海から来たんでなく、僕のお母ちゃんだ！！良かった！！

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